学資保険を夫婦がそれぞれ子供にかけることは可能なのでしょうか?結論からいえば、可能です。
学資保険は、一家の収入源となる人に万が一の事があった場合に備える貯蓄性の高い保険です夫婦それぞれで加入することができます。
現在では、夫だけでなく妻も貴重な収入源となっている共働き世帯も増えてきていることから夫婦それぞれで学資保険に加入しておきたいというニーズも増えてくることでしょう。
そこで今回は、夫婦それぞれで学資保険に加入する際のメリット・デメリット、その他の注意点について解説いたします。
共働き世帯の増加と学資保険に夫婦それぞれで入る必要性の拡大
まずは、子育ての金銭的な現状から把握していきましょう。
厚生労働省が発表している「国民生活基礎調査の概況」によると、2017年版時点で、国民平均所得560万2千円以下の世帯が61.5%にも上っています。
世帯所得が200万円台以下という低所得世帯が31.2%を占め厳しい家計状況が浮き彫りとなっています。
標準4人世帯(夫・専業主婦・子供2人)に限定して集計されたデータにおいても300万円台以下の世帯が13.2%に上っており共働きを検討する傾向が強くなるのも、うなずける結果となっています。
一方、文部科学省が発表した「2016年度子供の学習費調査」では、すべて公立校だったとしても幼稚園で234,000円、小学校で322,000円、中学校で479,000円、高等学校で451,000円もの費用が子供1人あたりに1年間でかかったとされています。
そのため、お子様が多い場合には夫や妻いずれか一方が倒れたら大変です。
超高額所得者でもない限り、学資保険や生命保険などで万が一の際の対策を検討しておく必要があるでしょう。
学資保険に夫婦それぞれで加入するメリット1|両親それぞれの不幸に備えられる
夫婦がそれぞれで学資保険に加入しておくメリットには、両親それぞれの不幸にも対応できるようになる点にあります。
特に共働き世帯においては片親が死亡したり高次障害を負った場合には経済的に困窮してしまう恐れがあります。
第1子には父親、第2子には母親を契約者として複数の学資保険に加入しておけば万が一のリスクを分散させることが可能になります。
もちろん、学資保険とセットで銀行への預金のほか生命保険などでも備えることはできます。
死亡や高次障害だけなく、万が一の失業に備えて就業不能保険、個人事業主であれば所得補償保険なども子供のために有効な手段です。
学資保険に夫婦それぞれで加入するメリット2|保険会社の信用リスクへの備え
夫婦それぞれで学資保険に加入しておくメリット2点目は、保険会社の信用リスクに備えられる点です。
可能性は低いものの保険会社とて倒産するリスクは存在します。
複数の学資保険に夫婦それぞれで加入しておくことによってリスクを分散することができます。
そのほか、A社にはなかった保障内容を、第2子や第3子出産を機に新しく登場したB社の学資保険で利用するといったことができます。
保障内容の多角化を図れるのも、夫婦それぞれで学資保険に加入する際のメリットといえるでしょう。
兄弟割引など、複数の契約によって毎月の保険料が安くなる商品も存在しています。
さまざまな商品を比較検討してみると良いでしょう。
学資保険に夫婦それぞれで加入するデメリット1|死亡保障上限を超えていると加入できないことも
夫婦それぞれで学資保険に加入するデメリットとしては、子供に対する死亡保障額には上限1,000万円という制限が定められていることがあげられます。
平成20年7月3日に金融庁から発表された「未成年者・成年者の死亡保険について」という資料では、過去に多発した保険金詐取目当てとみられる子供殺害事件をめぐって未成年者への保険金上限を規定するよう記されています。
学資保険の保障内容にある子供の死亡保障についても、これが該当します。
ゆえに複数の学資保険に加入したとしても、子供の死亡保障に対する保険金の上限は最大1,000万円までとなりますので注意しましょう。
学資保険に夫婦それぞれで加入するデメリット2|万が一の離婚時のリスク
夫婦それぞれで学資保険に加入した場合のデメリット2つ目は、万が一の離婚時のリスクです。
離婚した場合、夫婦の共有財産はそれぞれに分配することになります。
共働きで双方が学資保険に加入していた場合、離婚後に子供を引き取る親権者のほうは学資保険をそのまま継続することでしょう。
一方、親権者でないほうはかけた学資保険を解約して返戻金を受け取ることができます。
一見スムーズに行えそうに見えますが、学資保険のなかには名義変更ができない契約があったり、返戻金が元本割れする場合もありトラブルになるケースがあります。
あまり考えたくないものですが、万が一のリスクに備えて保険契約の内容は良く確認してから加入するようにしましょう。
学資保険に夫婦それぞれで入る際にはその他の金融商品と十分に比較検討を
夫婦それぞれで学資保険に加入する際には、保険料の支払者は契約者と同一にしておくのが賢明です。
医療控除を最大限活用して少しでも所得をお子様やご自身らの生活のために有効活用しましょう。
お子様のための保険には、学資保険を夫婦で別々に加入できるほか、銀行預金や生命保険、就業不能保険のほか公的社会保障制度(児童手当など)もあります。
普段のお仕事でお忙しいとは思いますが、合間を見つけて少しずつ準備していくようにしましょう。