学資保険の中には年齢制限なしを謳う商品がありますが、詳しく見ると子供の年齢制限があることに気付きます。
なぜなら、学資保険は子供の教育資金を事前に用意するために掛けるものであって、既に教育資金が必要な年齢に達した子供に掛ける保険ではないからです。
学資保険に年齢制限がなしとなるのは契約者
学資保険に年齢制限がなしとなるのは、契約者と受取人のうち契約者についてのみとなります。
契約者を誰にして受取人を誰にするのかという部分は、実質的に両親や祖父母が決めることになりますが、必ずしも学資保険の契約者は両親とは限らず祖父母となることも少なくありません。
このため、祖父母でも契約者となれるように学資保険には年齢制限なしとする広告展開が行われますが、対象となる子供自体には必ず年齢制限があります。
どの部分に対して年齢制限なしとなっているのか、事前にしっかり確認してから契約しなければ申し込みをしても契約拒否の原因となりかねません。
学資保険の性質から子供に年齢制限なしは有り得ない
学資保険は、子供の出産予定日140日前から加入出来る出生前加入特則があるほど早期に加入することを有利としているので、子供に年齢制限なしは有りえません。
受取時の年齢を大学入学時の18歳に指定する人が多いことからも分かるように、学資保険は払込期間を子供が10歳以下の早い段階で終えて、受け取りを18歳からとすることで運用益を含めて受け取る設計がされています。
このため、払込期間満了から受け取り開始時期までの期間が長いほど、受取額が大きくなる仕組みです。
払込期間10年間の学資保険が多いことから分かるように、生まれてすぐに加入する前提で学資保険は成り立っているわけです。
学資保険の年齢制限なしは契約者に限定される理由とは
学資保険の年齢制限なしは、契約者についてのみ年齢制限を設けないという形に限定されています。
なぜなら、教育資金として最も多額の現金が必要になるのは、大学入学から卒業までの4年間だからです。
家族の形態には様々な形があるので、必ずしも両親が健在とは限りません。
祖父母が事実上の親代わりとなって子供を育てているケースもあるので、年齢差と寿命の兼ね合いから子供が大きくなった時まで存命である可能性が両親ほど高くない祖父母でも学資保険へ加入出来るようにしています。
保護者の年齢は各家庭ごとに差が大きいので、学資保険が万が一の時の教育資金をサポートする方法として有効活用されているわけです。
学資保険で年齢制限なしで加入出来ないのは運用期間が肝となる
年齢制限なしで加入出来ない学資保険は、他の終身型生命保険とは異なり運用期間の長さで運用益を多く出す仕組みが採用されている点で他の保険とは根本的に異なります。
終身型死亡保険は数十年という期間を通して加入する方法が一般的ですが、学資保険は受け取り年齢が18歳頃と決まっているので期間限定の運用となるわけです。
数年しか運用出来ないよりも8年以上かけて運用出来た方が、長期的な視野で堅実な運用が可能になるので、結果的に運用期間が長いほど学資保険の受取額が大きくなります。
年齢制限無しで加入出来ないという学資保険特有の条件は、普通に貯蓄を行った場合との差別化が短期間の運用では出せないことを理由としています。
学資保険で年齢制限なしのを作ると元本割れしてしまう
年齢制限なしの学資保険を作ってしまうと、元本割れをしてしまう可能性が高くなります。
このため、元本割れを前提とした学資保険も一部には存在していますが、なぜそれでも加入者がいるのか不思議に思う人もいるでしょう。
学資保険は貯蓄性が高い保険商品ですが、健康に不安を抱える両親にとっては教育資金の準備だけでなく子供が18歳になるまでに両親が他界した時に受け取れる育英年金を重視している学資保険もあるからです。
返戻率は低いものの子供の医療保障や育英年金額を手厚くしたタイプの学資保険は、元本割れを前提として保障重視の設計が行われています。
学資保険に年齢制限なしとなる条件は契約者についてのみ
学資保険で年齢制限なしとなる条件は、契約者についてのみであって子供の年齢制限は学資保険の性質上あります。
学資保険は一定期間以上の運用期間を設けることで運用益により受取額を多くするので、保険料払込期間終了から受け取り開始日までの期間を8年以上設けることが出来れば受け取り率を上げられる仕組みです。
契約者については両親だけでなく祖父母がなることも多く、年齢制限なしとする学資保険も少なくありません。