自動車保険で身内への事故について、自動車保険に加入していて、そういえばよく知らないなぁということが結構あります。
その一つに、身内に対しての事故を起こした場合の保障がどうなっているのか、ということ。
夫が自分のクルマで、奥さんのクルマにぶつけて傷つけたとき、バックの誘導をしてくれていた奥さんに、ぶつかってしまったとき。
どのようになるのか、解説します。
自動車保険で身内への事故はどういう位置づけ?
自動車保険の約款を見てみますと、対人賠償保険・対物賠償保険については、親族間の事故に関して保険は使えないと書いてあります。
保険金の支払いできないケースに該当しています。
でも、別々の人間である以上、親族を相手にした事故が起きてしまう確率はあるわけです。
身近にいてクルマの周辺で一緒に過ごす機会も多いですから、当然確率も高くなってしまうのではないかと思います。
それでは、何の補償も受けられないのでしょうか。
そんなことでは、保険料を払っている意味がなくなってしまいます。
どんな保障があるのかどうか見ていきます。
自動車保険で身内のクルマに物損事故をおこしたときは?
自分のクルマを自分で運転して、自宅の壁にぶつかって壊れてしまった。
その壁を対物保険で直せるか?というようなケースですね。
これは、対物賠償保険の補償対象にはなりません。
被保険者である自分以外に、妻が運転していて、妻が壁を壊した場合も同じです。
それでは、何か補償が受けられる方法はないのでしょうか。
壊れた壁は残念ながら補償されませんが、損害を受けたクルマについては、車両保険という方法があります。
ただし、車両保険であっても、「単独事故」や「当て逃げ」を補償対象となっていないものもありますので、「単独事故」や「当て逃げ」を保障するものでないといけません。
自動車保険で身内に人身事故をおこしたときは?
始めの方でも例にあげましたが、バックの誘導をしてくれている奥さんを旦那さんがクルマでぶつけてしまったケース。
他人への保障である、対人賠償保険は使えません。
では、どういった保険があるのでしょうか。
自分と家族が、身内の過失でけがをしたときなどの保障ですね。
それが、「人身傷害保険」です。
「人身傷害保険」では、自分に過失があった場合でも、自分が受けた損害部分について、それに対応する金額が補償されます。
では、上のケースの奥さんへの補償はどうでしょうか。
「人身傷害保険」には、クルマに乗っていない場合の、例えば歩行中やタクシーに乗っているときなどの事故も補償する特約がつけられます。
しかも、これは被保険者の家族も対象になるんです。
何台かクルマがあるご家庭などでは、一台にこの特約を付けておけば良いのです。
万一があったときには、頼りになりそうな保険です。
自動車保険で身内への事故で搭乗者傷害保険って?
「人身傷害保険」のほかに、契約中のクルマに乗っていた人、つまり自分や家族、それ以外の人でもいいんですが、ともかくクルマに乗っていた人への補償として「搭乗者傷害保険」があります。
「人身傷害保険」に入っていれば、損害分はすべて補償されるんだし、いらないような気もしますが、この「搭乗者傷害保険」は「人身傷害保険」とは別に、契約時に決められた定額で、死亡・後遺障害を負った場合や、入通院した場合の一時金が支払われます。
定額なので、実際の損害額を確定させる必要がなく、保険金の支払いがスムーズに受けられるメリットがあります。
治療費などでの持ち出しをしなくて済みますし、人身傷害保険の上乗せ保険として検討する価値はあると思います。
自動車保険で身内への事故が起きるまえに
身内同士の事故というのは、誰にとってもあまり考えたくないもので、つい見ないふりをしてしまいがちではないかと思います。
ですが、考えてみれば、同じ家に住み、生活し、一緒に出掛けたりもしますから、自宅の駐車場や外出先で、家族でクルマのそばにいる機会は案外多いですね。
万一のためにと加入する保険も、保険会社おススメの一般的なものも良いですが、きちんと必要な保障が入っているのかどうか、確認してみたいものです。
年に一度の更新時などは、保険内容の案内が送られてきますので、良い機会になります。
コールセンターに問い合わせをして、しつこく聞いても嫌な顔(声)もせずにきちんと教えてくれるので、安心です。
自動車保険で身内への事故のまとめ
対人対物賠償保険は、他人に対する保障で、自分や身内についての補償は受けられませんでした。
身内による身内に対しての事故は、「人身傷害保険」の特約でケガなどを保障し、「車両保険」で、自分のクルマや所有物をこわしてしまったことへの補償が受けられるとわかり、安心しました。
いつ起こるかは誰にも分からない事故。
万一のときの備えは十分にしておきたいものですね。