自動車保険の契約を解除されたというのは、一般的に保険料を一括払いにしていると起こりません。
つまり、月払いにしている場合、保険料の滞納ということがあり得ます。
保険料を滞納すると、場合によっては契約を「強制解除」されることがあります。
自動車保険の契約を解除されたとは何のこと
どんな保険でも、契約を「解約」することがあります。
解約というのは、契約者の「意思」によって契約の継続を止めることを意味します。
一方、契約の「解除」というのは、契約者の意思に関わらず、保険会社が強制的に契約を破棄することです。
契約を解除される時というのは、契約条項に対する違反行為をした時か、契約者が債務不履行をした時です。
契約条項に対する違反行為には「告知義務違反」があり、申込書に嘘の内容を記入することです。
ただ、解除で最も多いパターンは債務不履行であり、保険料の不払いです。
一般的に、2ヶ月以上の滞納になると、強制解除されます。
保険料の滞納で自動車保険の契約を解除されたケース
保険料が2ヶ月連続で未払いだと、その翌月に保険料の残高を一括で請求されます。
また、支払方法も口座振替ではなく、保険会社から保険料の払込票が郵送されます。
その時点で支払いが行われないと、強制解除となります。
契約解除になると前々月の振替日に遡って、保険の効力が無くなります。
つまり、その期間に事故があっても、保険金は下りません。
なお、2ヶ月連続の未払いの時点で、自動車保険の契約は一旦失効となり、補償の効力が停止されます。
その後、1ヶ月以内に保険料を支払えば、効力は復活します。
そして、保険料未払いの期間も遡って復活するため、その間に事故があっても保険金は支払われます。
自動車保険の契約を解除された場合の再契約
強制解除された後は事故における補償が無くなるため、他の保険会社と新たな契約を結ぶ必要があります。
ただし、強制解除された場合は、再契約に制限のかかることが少なくありません。
自動車保険の契約では、契約の解除履歴が告知事項に入っていることがあり、申込者は解除された事実を告知しなければなりません。
仮に、申込者が隠したとしても、無駄です。
自動車保険には等級調査制度があり、解除の履歴は全保険会社の間で共有されています。
嘘がバレると告知義務違反となり、契約が拒否されます。
なお、再契約ができたとしても、月払いではなく年払いのみという支払方法に制約が付きます。
自動車保険の契約を解除された場合の等級
保険料の滞納などによって強制解除された場合、補償が無くなるということの他にもう一つ大きなデメリットがあり、それが「等級」のリセットです。
新たに自動車保険に再契約できたとしても、「等級」が引き継がれません。
つまり、長年の無事故によって仮に現在の等級が15等級であっても、保険開始時の「6等級」からスタートすることになります。
当然、保険料は一番高い状態に戻ります。
例えば、15等級だと保険料は51%割引になりますが、6等級に戻ると19%割引にしかなりません。
そうならずに済む方法として、以下の2つがあります。
- カードローンで借入をして、滞納分の保険料を支払う。
- 現在の保険を速やかに解約する。
自動車保険の契約を解除されたとなる前の中断証明書
保険料の滞納による契約の強制解除はデメリットしかありません。
また、現在の保険を解約しても7日以内に新たな保険に契約すれば、等級は引継げますが、支払いを続けることに変わりはなく、あまり意味がありません。
そこで、現在の保険を解約して、車を売却することが有効な手段になります。
そして、保険会社から「中断証明書」を発行してもらえば、10年間は等級を維持することができます。
中断証明書の主な発行条件は以下です。
- 中断後の新契約が7等級以上になる。
- 車を手放す(廃車・譲渡、車検切れ、車両入替など)。
ただし、滞納している保険料は完済することが条件です。
自動車保険の契約を解除されたとならないために
自動車保険の強制解除は絶対に阻止しなければなりません。
保険料を滞納しそうになった場合は、速やかに保険会社に相談すべきです。
また、自動車保険は補償内容によって保険料が大幅に違ってきます。
現在の補償内容が自分の車に適したものであるのかを見直し、必要のない補償はカットします。
そしてどうしても、保険料の支払いが厳しい時は車の売却を検討すべきです。