スーツが破れてしまったときに適用される保険が実は存在します。
階段でつまずいて転んだとき、スーツが破れてしまった。
あなたならそんなときどうしますか。
多くの人の場合、スーツを買いなおすか、あるいは可能であれば修繕するかもしれませんが、いずれにしても費用がかかってしまいます。
予期していなかった事態で、財布にも決してやさしくないはずです。
ただそんな時、保険が適用できたら、と考える人はあまり多くないかもしれません。
それはいったいどんなものでしょうか。
スーツの破れも対象となる保険とは|スーツが破れてしまったら
スーツが破れたときに適用される保険といっても、「スーツ破れ保険」といった商品名の保険は一般的に存在しません。
では、スーツが破れたときに適用される保険はどういったものかというと、それは火災保険です。
火災保険とはその名の通り、万が一の火災に備えて加入するものというイメージがあります。
しかしながら、現在の火災保険は生活全般が補償される保険といっても過言ではなく、火災をはじめ洪水や台風などといった自然災害によって家が被る被害の補償以外にも、日常におけるさまざまな思いがけないトラブルも補償の対象となっています。
スーツの破れも対象となる保険とは|火災保険の性質
では、なぜ火災保険がスーツの破れまで補償してくれるのでしょうか。
これは火災保険の性質に起因しています。
万が一火災が起こってしまった場合、建物だけが補償されていても家具や電化製品、貴重品といったものが補償されていなければ生活は元通りになりません。
このため、火災保険の補償の対象には「建物」と「家財」があり、一般的にはこの双方に加入することが多くなっています。
この家財の補償内容には「携行品損害」という項目があり、スーツの破れはこれに含まれます。
つまり、火災保険は一般的な認識よりも補償の範囲が非常に広くなっているのです。
スーツの破れも対象となる保険とは|火災保険の補償の範囲
このように補償の範囲の広い火災保険には、具体的に、落雷、風災、雹災、雪災、外部から物の落下・飛来・衝突、破裂、爆発、水濡れ、水災、盗難、破損・汚損といったものが含まれます。
また、火災保険では「費用保険金」という、建物や家財の損害に付随して発生した費用が補てんされる場合もあります。
例えば、火事の際、家の修理や立て直しの間の宿泊費用などがこれに当たります。
費用保険金は基本補償の一部として組み込まれているものもあれば、特約としてオプションで追加することもあり、この場合は保険料が割り増しになるため、いざというときに必要なのかどうか加入時に検討する必要があります。
スーツの破れも対象となる保険とは|その他の特約
費用保険金以外にも火災保険にはさまざまな特約があり、自転車で人にぶつかり、ケガを負わせてしまったといったときに保険金が支払われる「個人賠償責任特約」や、スーツの破れが補償される携行品損害も特約に含まれます。
携行品損害はスーツの破れのほか、通勤中にバッグをぶつけて壊してしまった場合の修理費用や、家から持って出かけたカメラを壊してしまったときの修理費用といったものも補償の範囲内です。
このように火災保険はさまざまな特約を追加することによって補償の範囲がより広がります。
すると、単に火災や災害にだけ備える保険ではなく、より広範囲の損害をカバーする保険となります。
スーツの破れも対象となる保険とは|火災保険の保険料
ただし、補償の範囲が広がるからといって、さまざま特約を追加すると、当然のことながら保険料も増大することになります。
思いがけずスーツが破れてしまったようなときは特約を追加しておいてよかったと思うかもしれませんが、月々の保険料の費用負担とのバランスはよく考えておかなくてはなりません。
また、火災保険には長期契約による保険料の割引が適用されることがあり、保険期間が長ければ長いほど、保険料は割安になるので、契約期間をどうするのか検討してもよいでしょう。
なお、火災保険の保険期間は最長で10年となっています。
スーツの破れも対象となる保険とは|契約内容の変更の際は相談を
このように、火災保険は比較的長い期間にわたって契約することがあります。
このため、特約などの契約内容は十分に検討する必要があります。
ただし、契約期間内であったとしても解約してあらたに契約することもできます。
万が一の場合に備えて契約内容を変更したい場合には保険会社や保険代理店に相談してみるとよいでしょう。