自動車保険の加入率は、年齢別・都道府県別・補償別に見ると、違いが浮き彫りになります。
全体の加入率からそれぞれの加入率まで細かく見ていきましょう。
年代別の人気・おすすめ保険会社も紹介するので、チェックしてみてください。
自動車保険加入率の年齢別 補償別 都道府県別|全体
任意の自動車保険は自賠責保険(強制保険)とは違い、法律による加入義務はなく、個人の自由意思で加入するものです。
2017年度の対人賠償の加入率は自動車保険で74.3%です。
自動車事故における補償という意味でほぼ同様の役割を担う自動車共済では13.5%です。
合計すると87.8%の加入率です。
自動車全体の9割弱が自動車保険・自動車共済に加入し、1割以上が未加入の無保険車ということになります。
対物賠償は対人賠償とセットで入ることがほとんどなので、ほぼ同じ加入率です。
その他の補償では、人身傷害・車両などがありますが、オプションのような形であり、対人賠償・対物賠償よりも加入率は低い傾向です。
自動車保険加入率の年齢別 補償別 都道府県別|年齢別
自動車保険の年齢別加入率は40代から60代が高く、近年の高齢者社会を反映しています。
自動車保険では補償する運転者の範囲を年齢で限定する「年齢条件」があり、区分により保険料が異なります。
保険料が一番高いのは「条件なし」の区分で、年齢が若いほど保険料が高く、年齢が上がるほど保険料が安くなります。
これは、若い人は運転経験が少ないため、事故発生率が高いという理由からです。
2016年度の対人賠償の年齢条件別加入率は、「条件なし」が1.8%、「21歳以上」が6.1%、「26歳以上」が23.1%、「30歳以上」が10.0%、「その他」が58.9%です。対物賠償もほぼ同様の加入率です。
自動車保険加入率の年齢別 補償別 都道府県別|都道府県別
自動車保険の対人賠償の加入率は都道府県により大きく異なります。
2017年度で加入率が高いのは、富山県92.0%、香川県91.6%、石川県・愛知県・島根県91.1%です。
加入率が低いのは、沖縄県77.4%、鹿児島県81.7%、山梨県83.6%、宮崎県83.9%、茨城県84.2%です。
加入率上位は地方の車所有率が高い都道府県が並んでいます。
車社会なので「交通事故に対して備えよう」という意識が高いようです。
一方、加入率下位も都市部以外の都道府県が並んでいますが、九州・沖縄地方の加入率の低さが目立ちます。
沖縄県はこの数十年間、加入率がずっとワースト1です。
沖縄県は他県と比べると住人同士の地域的な繋がりが強いので、事故を起こしたとしても「人の繋がり」で解決してしまう事が多く、自動車保険の必要性を感じていない人が多いという説があります。
自動車保険加入率の年齢別 補償別 都道府県別|補償別
自動車保険の「対人賠償保険」「対物賠償保険」は相手方への「人」「物」を補償するもので、加入率は高くなっています。
2017年度の加入率は、対人賠償が74.3%、対物賠償が74.4%です。
「人身傷害保険」は自動車事故により自分や同乗者のケガを補償するもので、加入率は68.7%です。
「車両保険」は自動車の損害を補償するもので、加入率は43.8%と5割を下回っています。
車両保険の保険金額は契約時の時価額相当で決められ、自動車の時価額は年数が経つほど下がっていくので、古い車は十分な保険金額を設定できない場合があります。
自動車の価値は10年程度でなくなると言われるので、10年目以降の中古車には車両保険は不要です。
このような理由から車両保険の加入率は低い傾向です。
自動車保険加入率の年齢別 補償別 都道府県別|年代別人気会社
自動車保険は事故リスクが高い人ほど保険料が高く設定されるので、運転歴の浅い20代は高く、年齢が上がるほど安くなります。
20代では「SBI損保」の保険料がコンスタントに安く設定されているので人気です。
30代では「SBI損保」「アクサダイレクト」「ソニー損保」が人気です。
ソニー損保は通販型自動車保険では最大手で、補償内容やロードサービスが充実しています。40代以降は事故率が低く、各社ともに保険料が安くなります。
ゴールド免許の保有者もこの世代から増えるので、有利に加入することができます。
「セゾンおとなの自動車保険」は、事故率の低い40代から60代の保険料を大きく引き下げていて、人気を集めています。
自動車保険加入率の年齢別 補償別 都道府県別|まとめ
自動車保険の加入率は自動車共済を含めると9割弱で、1割以上が未加入の無保険車となります。
年齢別では保険料の安い40代~60代の加入率が高くなっています。
都道府県別では地方の車社会である富山県・香川県・石川県・愛知県・島根県などの加入率が高く、九州・沖縄地方が低い傾向です。
補償内容では、対人賠償・対物賠償の加入率は高いものの、車両の加入率は低くなっています。