自動車保険で主に運転する人の変更について解説をします。
自動車保険を安くするためにはダイレクト系の保険会社を利用するのが一つの手ですが『契約者』や『主に運転する人』など、各用語を正しく理解したうえで契約を行わないと、最悪の場合事故の時に補償を受けられなくなる場合もあります。
本記事ではこれから自動車保険への新規加入する人や変更しようと思っている人に向けて、基礎知識である『主に運転する人』『契約者』『車の所有者』の違い、変更の際に注意すべき点や肝心の変更による保険料の上下があるのか等を簡単に解説いたしましょう。
自動車保険で主に運転する人の変更|契約者と主に運転する人の違い
自動車の任意保険に新規加入するときや、変更の際に尋ねられる『主に運転する人』は正式名称を『記名被保険者』と言います。
一般的に『事故などで保険による補償を受けるであろう確率の最も高い人』が該当します。
「夫婦で同じくらいの頻度で車を使うから、『主に運転する人』が二人いるのだけれど…」という場合は、夫、妻どちらの名前を書いても問題はありません。
それに対し『契約者』は保険の契約を行い保険料の支払いなど管理をおこなう人を指します。
夫が保険を契約し、車は主に妻が運転するのであれば『契約者=夫』『記名被保険者(主に運転する人)=妻』となります。
また任意保険にはもう一つ『車の所有者』という項目もあります。
これは読んで字の通り『その車が誰の物(名義)』であるかということを示す物です。
自動車保険で主に運転する人の変更|主に運転する人を設定する意味
自動車の任意保険を含め、保険は統計を元にその年齢によって加入料が異なります。
生命保険であれば事故に遭いやすい10歳前後の子供は高く、健康で病気にかかっても回復しやすい若い20~30代は安く、体力が衰え始める40代を境に徐々に保険料が上がります。
自動車保険の場合、無謀な運転をしやすい20~30代前半は保険料が高く、運転に慎重になる30代後半~40歳前後は安く、60歳を越え判断力が衰えるにつれ保険料が上がります。
どちらも実際の統計を元に計算されているため、慎重な運転をする20代の青年でも保険の加入当初は高めの保険料が請求されます。
ですが契約した車で事故のない期間が長く続くと「この記名被保険者は事故に遭う可能性は低い」と判断されてランクが上がり、段階的に保険料が下がっていきます。
そのランクを『ノンフリート等級』と呼びます。
新車で加入する場合は6等級、2台目(セカンドカー)以降であれば7等級からノンフリート等級が始まり、保険を使った事故がなければ1年毎に1等級ランクが上がり、それに伴って同じ補償内容でも保険料が下がっていきます。
車の記名被保険者を変更する場合『同居中の親族に限り以前の等級をそのまま引き継ぐ(配偶者に関しては同居でなくても可)』ことができるので最高の20等級なら新たに加入するよりも保険料をかなり低く抑えることができるでしょう。
このノンフリート等級は記名被保険者の変更以外にも、新旧車両入れ替えを行った場合や親の車から子の新車へと入れ替えを行ったり、保険会社を変えた場合などにも移行することが可能です。
自動車保険で主に運転する人の変更|運転者を限定することで保険料が安くなる?
車の任意保険は『運転者限定条件』の特約を利用することで保険料を安くすることができます。
一つの車を家族全員で使用する場合運転する人を『(同居の)家族限定』に設定することで、そのまま保険を契約するよりも少しだけ保険料を安くすることができます。
またその車を運転する可能性のある家族の年齢が全員25歳以上、30歳以上、35歳以上それぞれに該当する場合、特約として設定することで大体どこの保険会社でも割引が適用されます。
(設定できる年齢の段階は保険会社によって異なります)また年齢以外にも夫妻だけを許可する『配偶者限定』、主に運転する人(記名被保険者)のみ許可する『本人限定』とすることで更に割引が適用されるようにもなります。
もちろん上記どの場合も運転者限定条件で設定した人以外(知人や同居していない親族、設定された年齢未満の家族)が車を運転し事故に遭った場合、保険による補償がなされないのでそのあたりは注意が必要でしょう。
自動車保険で主に運転する人の変更|記名被保険者(主に運転する人)変更の必要がある例
例えば夫婦の子供が新たに免許を取り、夫婦二人と子供の三人が一つの車を使用する場合、上記の方法で運転者限定条件を変更するだけで済みます。
ですが子供だけが進学や独立などで別居しその際に車を貸すあるいは譲渡して、子供がその車の『主に運転する人』となった場合は『記名被保険者』を子供の名前に変更する必要があります。
貸すのではなく譲り渡した場合はあわせて『車の所有者』も子供の名前に変更する必要があります。
先に説明したとおりノンフリート等級は同じ車であれば記名被保険者を変更しても引き継ぐことができるので変更前のノンフリート等級が高ければ、記名被保険者を20代の若い子供に変更しても新規に加入するのに比べれば大幅に保険料が高くなったりはしません。
ただゴールド免許特約や運転する人の年齢制限による特約などの割引は適用できなくなる場合もあるので、ダイレクト系保険会社で変更手続きも自分でおこなう場合は、子供さんの免許や年齢に合わせたものに変更するのを忘れないようにしましょう。
『記名被保険者』や『車の所有者』の変更申請をせずに事故に遭った場合は保険による補償がなされないことがあります。
自動車の任意保険は代理店系でもダイレクト系でも変更があったら直ちに申請し、常に正しい契約内容で維持されるよう心がけましょう。
自動車保険で主に運転する人の変更|自動車保険料が上がる場合と上がらない場合
上記では20歳前後の子供を例に出したので、年齢制限特約やゴールド免許特約が使えず大抵の場合保険料が上がってしまうことは避けられません。
ですが逆に車の譲渡相手が35歳以上で、ゴールド免許持ちだった場合元の保険料より下がる場合もあります。
子供がいない場合で夫妻で同じ程度車に乗る場合、夫が通常の免許で妻がゴールド免許の場合『記名被保険者(主に運転する人)』を妻に変更し運転者限定条件を『配偶者(あるいは家族)のみ』に設定することで、妻のゴールド免許特約を適用しつつ夫妻どちらが運転してても保険が適用されるため、同じ補償内容でも保険料を安く抑えることが可能です。
ネット経由で契約できるダイレクト系自動車保険会社は、自宅で特約をつけ外ししてすぐ見積もり結果を確認することができるのでどういった組み合わせだと保険料が上がるのか下がるのかを確認できるので、最終的に代理店で契約するにしても見積もりだけでも行ってみる価値はあると言えるでしょう。
ダイレクト系自動車保険は間に人間を介さないため人件費の分だけ保険料が安くなっています。
同じ契約内容でも代理店を通した場合に比べ2~5割程度安くなります。
しかしその為には各特約がどういう意味を持つのか、どの程度の補償が一般的なのかをある程度分かっていないと契約が難しいという欠点があります。
事故の際にも保険の手続きを自分でやる必要があったりしますが、示談交渉など難しいものは弁護士などに任せ、そういった事態に補償される『弁護士特約』が付けられる会社もあります。
自分の知識と事故時の状況などをあらかじめ想定し、ある程度なんとかできる自信があるなら安く自宅でネットから簡単に新規手続き、更新などが行えるダイレクト系保険会社をおすすめします。
「そういう難しいのはちょっと自信がない」というのであれば、各保険会社の支店やディーラー経由での契約の方が安心でしょう。
自動車保険の新規加入や主に運転する人を低コストで変更する為には?
新規契約や保険会社の変更等で「相場の保険料などが分からない」「ダイレクト系の保険会社でどこが安いかを知りたい」といった場合、『保険スクエアbang!』『楽天 自動車保険一括見積もり』『価格.com 自動車保険比較・見積もり』などを利用することで、大体の相場や世間の人が契約している平均的補償内容を知ることができます。
また実際に保険の契約に至らなくても、一括見積もりだけでお米やファストフードの引換券などをもらうことができる場合もあります。
少しでも車にかかる経費を減らしたい場合はもちろん、実際に上下する保険料を見ることで概要を掴みやすく金額の上下で各自動車事故リスクの高低も判断できるので一度は利用してみることをお勧めします。
ただ複数の一括見積もりを使うとその分様々な自動車保険会社からメールマガジンなどが送られてくる事は必至で、メールソフト側のメールフィルターなどを上手く活用する必要があるので万人向けでないことはご留意下さい。