自動車保険の二重契約は返金される?クルマをお持ちの方は、いつ起こるか分からない事故に遭ったときのために、強制加入の自賠責保険のほかに、私的保険をかけている方が多いと思います。
たまにかけていない方もいますが、事故の相手方だけでなく、自分のためにもかけた方がいいのは言うまでもありません。
今回は、その自動車保険、もし二重に契約をしてしまった場合に保険料が返金されるのか、どんな手続きが必要なのか、など解説します。
なぜ起こる?自動車保険の二重契約と返金
普通に考えれば、二つも同じような保障内容の保険に入ることはありませんが、なぜ二重契約が生じてしまうのか。
それは、自分の所有する車に、すでに保険がかけられていることを「忘れていた」か「知らなかった」からです。
自分でかけた保険の存在を忘れるのかという気もしますが、うっかりして、ということは起きる可能性はあります。
例えば、長期契約に加入している場合や自動継続特約が付いているときなどは、手続きがないまま継続されるので、忘れてしまうことはありそうです。
「知らなかった」ケースとしては、親のクルマを譲り受けたときや新たに購入したときに、親がすでに保険をかけてくれていた、などがあります。
親子間だけでなく、夫婦間でも起こることは考えられます。
事前に保険をかけていないかどうか、ご家族などに確認すれば、こうした事態は防げると思います。
自動車保険を二重に契約したときは返金される?
それでは、自動車保険を二重に契約してしまった場合は、どうなるのでしょうか。
保険金も2倍もらえるのでしょうか。
万一、事故に遭ったときには、2つの保険に加入していても、最初に契約している自動車保険からしか補償を受けられません。
つまり、もう一方の保険はただ保険料を払っているだけの無駄な保険、ということになります。
無駄な保険料を払い続ける意味がありませんので、一方の保険は解約することになります。
解約すると、すでに経過した期間分を除いた、まだ保障が開始されていない期間についての保険料が返金されます。
ただ、満期日まで一か月を切っている場合には、解約返戻金はありません。
自動車保険の二重契約どのくらい返金される?
では、自動車保険を解約したときの返金額はどのくらいになるのでしょうか。
例えば契約期間があと半分残っているから、保険料も半分戻ってくるだろう、と思いがちですが、実際にはどうなのでしょうか。
自動車保険の支払方法は、年払いと月払いの二つがあります。
月払いの場合は、これから先の分については払っていませんので、これまでの経過期間分について支払いが済んでいれば良いということになります。
契約期間開始から1か月と10日が経っているなら、2か月分を支払う必要があるということです。
年払いの場合は、1年分の保険料を一括で支払っていますので、下記の計算式に当てはめた額が戻ってきます。
「解約返戻金=年間保険料×(1-すでに経過した期間の短期率)」です。
保険料50,000円、経過期間が2か月と10日の場合ですと、短期率は45%です。
50,000×(1-45%)=27,500となり、解約返戻金は、27,500円となります。
自動車保険を二重契約してしまったときの返金手続きは?
自動車保険を二重契約してしまったことが分かったら…
一方の保険は、払うだけ無駄なのですから、すぐに解約の手続きをしましょう。
保険会社のカスタマーサービスなどに電話をして、解約したい旨申し出ればOKです。
必要書類があれば、あとから郵送してくることもありますので、必要事項に記入押印して返送するなど、対応すれば大丈夫です。
解約のときには、等級の引継ぎなどの処理があるため、必ず理由を聞かれます。
解約を阻止したりなど不利益になることではありませんから、正直に伝えるほうが良いでしょう。
理由を隠すと保険に不備が生じたりしかねませんので、事実をお話される方が良いです。
自動車保険の二重契約による返金防ぐには
自動車保険の二重契約は、保険料の無駄になってしまうことが分かりました。
なぜ、二重に契約してしまうのかと言えば、すでに保険に入っていることを「忘れて」いたり「知らなかったり」するからです。
それに気を付ければ、二重契約は防ぐことができるということです。
良かれと思って、子どもや家族のために事前に保険をかけているケースや譲渡されたクルマに保険がかけられたままだったり。
自分で保険に加入する前に、「もしかして…。」と念のためにご家族や譲り受けた方に確認してみれば、二重契約を防ぐことができ、無駄な保険料も払わずに済むかもしれません。
自動車保険を二重に契約してしまったときの返金まとめ
- 自動車保険、二重に入っていても、両方から保険金はもらえない
- 一つは保険料の無駄!なるべく早く解約しましょう
- 年払いは解約返戻金が発生するケースあり
自動車保険の二重契約は、気づいたら、どちらかをなるべく早く解約しましょう。
解約日によって、解約返戻金の額や月払いで支払う保険料が違ってくることにもなります。
一車両につき一保険にするのがベストですね。