自動車保険の団体割引は家族も加入できる?自動車保険における団体割引は勤務している会社などが団体割引制度に加入していることで適用されるものです。
ただし、任意加入が原則で加入するかしないかは自由です。
とはいえ、割引率は企業の事業規模や加入者数によって変化し、加入者が増えることにより保険代理店の収益も上がるため、保険加入者、保険代理店双方にとってメリットがあります。
では、この団体割引は適用されている会社に勤務している本人以外の家族にも適用されるのでしょうか。
自動車保険の団体割引は家族も加入できる?メリット
そもそも、自動車保険における団体割引のメリットとしてはそのようなものがあるのでしょうか。
これは何よりも保険料が安くなることにあるといえるでしょう。
たとえば同じ条件で自動車保険に加入しようと考えていた、あるいは加入していた場合には、団体割引によって保険料が値引きされ、保険料の節約になります。
一般的に割引率は20%~30%程度で、大企業では割引率が30%を超えるケースもあります。
これにより、家計への負担を軽減したり、あるいは補償額を増やすことを検討することもできます。
また、団体割引を導入している企業にとっては、社員の福利厚生の一環として補償を提供できることになり、勤労意欲の向上も期待できます。
自動車保険の団体割引は家族も加入できる?デメリット
一方、自動車保険における団体割引のデメリットとしては、万が一事故を起こした場合には、仕事とは関係のない事故であっても、会社に知られてしまうだけでなく、契約変更の場合にも、会社の保険担当者に負担をかけなければなりません。
また、保険料の支払いは原則として2ヶ月後となっているため、支払いタイミングがわかりづらかったり、給与からの天引きとなるので、一括払いやクレジットカード払いといった支払い方法の選択はできません。
さらに、加入する保険や会社によっては割引率が低い場合があり、なおかつ割引率は毎年見直されることから、割引率が下がって加入時より保険料が高くなる可能性もあります。
自動車保険の団体割引には家族でも加入できるのか?
では、このようなメリットやデメリットを踏まえたうえで、自動車保険の団体割引には家族でも加入できるのでしょうか。
まず、団体扱いで自動車保険に加入している場合、契約者の名義はその会社に勤務している本人でなければなりません。
つまり、妻や夫、子どもといった家族の名義では契約することができないのです。
ただし、記名被保険者については同居している親族や別居の扶養親族であっても設定することが可能です。
つまり、契約者さえ団体割引を適用している会社に勤務し、その保険に加入していれば、妻や子どもなども記名被保険者となることで、その自動車保険の補償を受けられるということになります。
自動車保険の団体割引は家族も加入できる?記名被保険者とは
そこで、この記名被保険者とはどのようなものでしょう。
記名被保険者とはつまり主に車を運転する人のことです。
一般的には保険の契約をする人が記名被保険者ですが、自動車保険を契約する際には契約者と記名被保険者が異なってもかまいません。
具体的に記名被保険者の対象者となるのは契約者のほか、契約者の配偶者、契約者と配偶者の同居の親族、契約者または配偶者の別居の扶養親族となります。
これは、自動車保険が記名被保険者の年齢によって保険料が異なる性質があるためです。
また、記名被保険者となる人が6等級以上の等級である場合、その等級を引き継ぐことも可能です。
このほか、記名被保険者がゴールド免許を所持している場合、契約者がゴールド免許を所持していなくてもゴールド免許割引が適用されるといったメリットもあります。
自動車保険の団体割引は家族も加入できる?家族と別居した場合
ところで、記名被保険者となる家族が別居した場合には団体割引の対象となるのでしょうか。
ここまでのように、別居しているのが契約者または配偶者の扶養親族であれば記名被保険者となることができます。
しかしながら、別居している契約者の子どもが結婚していたり、就職しているほか、扶養していない父母の場合には、団体加入の対象とはなりません。
また、そもそも契約者が団体割引が適用されている保険に加入している会社を退職してしまうと団体割引が受けられなくなります。
この場合、自動車保険の契約自体が切れてしまうので、一般契約に切り替えるか、満期までの保険料を一括で支払い、保険期間満了まで契約を継続させるなどの手続きを取らなくてはなりません。
自動車保険の団体割引は家族も加入できる?ダイレクト保険のほうが安くなる場合も
このように、自動車保険の団体割引は契約者が勤務している会社などが団体割引制度に加入していれば、家族あっても割引された保険料で補償を受けることができます。
ただし、近年増加しているインターネットから加入できるダイレクト保険の場合、団体割引が適用された大手損保の保険料より安くなることがあります。
とはいえ、補償内容では大手損保のほうが手厚い場合もあります。
このため自動車保険では、保険料だけではなく、さまざまな点を考慮して加入を検討しなくてはなりません。