がん保険と三大疾病保険の違いを解説をします。
テレビコマーシャルやネットの広告でよく目にする保険が自動車保険の他にがん保険、三大疾病保険です。
自動車保険は分かるのですが、このがん保険、三大疾病保険の違いが分からない場合も少なくありません。
今回、この違いについてお話します。
がん保険と三大疾病保険の違い|異なる保険
がん保険と三大疾病保険は異なる保険です。
保険の名称だけではなく、それぞれの保険の保障範囲が異なるだけでなく、メリットやデメリットがあるのです。
確かに三大疾病と付くとがんもしっかりサポートしてくれるように見えますが、実は三大疾病保険のがんの保障とがん保険のがんの保障は異なります。
死亡保険に三大疾患保障がついたものが三大疾病保険であるのに対し、がん保険はがん専門の保険ということからも商品の構造の違いがあります。
また、保険料についてもがん保険の5割増し程度で三大疾病を保障することから一見三大疾病保険がお得に見えますが、必ずしもそうではないのです。
保障範囲や保障内容を知れば、この二つの保険が全く別の保険であるとわかるはずです。
がん保険と三大疾病保険の違い|三大疾病とは
三大疾病保険の三大疾病とは死因の上位に来る疾患、悪性新生物(がんなど)、心疾患、脳血管疾患です。
近年は三位に肺炎が入り、必ずしも死因のベスト3ではありませんが、三大疾病保険というと、この三つが適応となるのです。
ちなみに悪性新生物は基本的にがんのことをさしますが、表層でとどまる軽度のものは上皮内新生物と呼ばれ、保険によっては適応外になります。
心疾患は心臓にまつわる疾患、狭心症や心筋梗塞、弁膜症や不正脈、心不全などをさします。
最後の脳血管疾患は、脳の血管の病気、脳梗塞や脳出血、くも膜下出血を指します。
悪性新生物に関しては軽度のものは上皮内新生物として保障範囲外になる保険もあるので注意が必要です。
がん保険と三大疾病保険の違い|保障範囲がこれだけ違う
がん保険に関しては、がんになった場合、まず給付金が支払われ、その後入院給付金や通院給付金、手術給付金が支払われ、放射線治療になった場合も給付が行われます。
ただし、がん以外の疾患になった場合は当然ながら保障されません。
三大疾病保険は、悪性新生物や脳血管疾患、心疾患になった際に高額な一時金が支払われます。
一時金が出るものの、その後の通院や治療に関しては保証されません。
その代わりがん以外の疾患になった際にも同じように一時金が出るという保障範囲の広さが異なります。
つまり、深く狭いがん保険と浅く広い三大疾病保険というのが保障範囲の違いです。
がん保険と三大疾病保険の違い|三大疾病保険のメリット
三大疾病保険のメリットは保障範囲の広さや保険金の金額、解約返戻金がある場合があるという点です。
保障範囲の広さは、前の項目でもお話した通り、悪性新生物や脳血管疾患、心疾患のいずれかになった場合保険金が降りるという仕組みで、がんのみに比べ保障範囲が広くなっています。
保険金も一時金ではありますが、時に数百万円の金額が支払われるため、急に大金が必要となる三大疾病に対しても十分対応できます(がん保険にも一時金はあるが、そこまで高額ではない)。
また、がん保険のように掛け捨てではない保険なので、解約時には返戻金が用意されているものもあり、そこまで高額ではありませんが、資産としても機能します。
このように一時的に大きな金額が支払われ、保障となる疾患が多く、時に返戻金があるのがメリットです。
がん保険と三大疾病保険の違い|三大疾病保険のデメリット
三大疾病保険にもデメリットはあります。
それは一時金であること、支払い条件がやや厳しいことです。
一時的に高額な保険金が支払われますが、支払いが行われた瞬間に保険契約が終了します。
つまり、払ったらそれで保険が消えるということです。
高額な保険金は魅力的で、そのまま再発がなければ非常に利用者にとって有利な保険なのですが、がんが再発した場合の保障が得られないのがデメリットです(がん保険は再発も保障することがある)。
また、入院や通院、治療などの保険金が出ないため、高額な保険金だけでそれをまかなう必要があります。
次のデメリットが支払い条件の厳しさです。
再び社会復帰が難しいレベルまで進行した場合でないと支払われないという点です。
しかし、現在ではこのデメリットがかなり緩和され、60日間労働できない程度のものに緩和されてきているので、一時金であるという点以外はデメリットが少なくなってきていると言えます。
がん保険と三大疾病保険の違い|まとめ
浅く広い保障の三大疾病保険に対して深く狭いがん保険というのが主な違いです。
がん保険に関してはがんに対しては手厚い保障というメリットがありますが、それ以外の疾患に関してはサポートが薄く、また掛け捨てです。
三大疾病は範囲も広く、資産としても機能するというのがメリットと言え、そういった点を見ながら保険を掛けるとよいのではないでしょうか。