医療保険は通院のみの保険が、ほとんどないことをご存知ですか。
基本的に、医療保険は入院保障と手術保障の2つを主契約としています。
通院保障は、特約として付加する仕組みになっているのです。
入院保障と手術保障をはずして、通院保障だけを契約することはできないのです。
なぜ、通院のみの医療保険は、ほとんどないのでしょうか。
実は、契約者と保険会社の双方にとって、デメリットがあるためと言われています。
但し、がん保険の場合、通院のみのタイプが医療保険よりも多くあるのです。
今回は、医療保険の基本を確認しながら、通院のみの医療保険の概要について解説します。
併せて、通院のみを保障するがん保険についても紹介しましょう。
医療保険で通院のみはある?通院のみの保険がない理由
医療保険の基本について確認しておきましょう。
一般的な医療保険は、入院保障と手術保障が主契約となっています。
病気やケガで入院や手術をした時に、給付金を支給してもらう仕組みになっています。
したがって、通院するだけでは、給付金をもらうことはできません。
通院給付金を支給してもらうためには、通院保障特約を付加しなければならないのです。
また、一般的な医療保険の場合、通院給付金を支給してもらうためには、入院保障対象になる入院をしていることが前提となっています。
つまり、入院を伴わない通院の場合、給付金は支給されないのです。
従って、風邪のため、病院で診察を受けた場合、通院保障の対象とはなりません。
しかし、最近は、医療技術の発達に伴い、入院期間が短くなっています。
病気によっては、通院しながら治療するケースも、以前に比べて増えているようです。
では、通院のみの医療保険のニーズは高まっているのでしょうか。
医療保険で通院のみはある?通院のみの医療保険がない理由
通院のみの医療保険が余りない理由に、契約者にとってメリットが少ないことが上げられます。
そもそも、医療保険は高額な治療費をカバーする時に効果を発揮します。
高額な治療費としては、やはり入院費用や手術費用が上げられるでしょう。
しかし、通院による治療費は、入院費用や手術費用に比較して安い傾向があります。
そのため、通院給付金も入院給付金や手術給付金に比べて少ない可能性があるのです。
また、通院保障の場合も支給申請の際、診断書などが必要になります。
診断書を発行しもらうためには、有料になってしまいます。
通院治療の場合、病院へ行くための交通費が掛かるケースもあるのです。
更に、治療費が高額になった場合、高額医療制度を利用することもできるのです。
保険料を負担してまで、通院のみの医療保険を検討する方は少ないのではないでしょうか。
医療保険で通院のみはある?保険会社にとってデメリット
通院のみの医療保険が余りない理由として、保険会社にもデメリットがあるからと言われています。
実は、保険会社にとって通院のみの医療保険は儲けが少なくなる可能性があるのです。
通院のみの医療保険の場合、風邪など軽い病気で、通院給付金を請求されるかもしれません。
つまり、給付金の過度な請求につながる可能性があるのです。
給付金の請求が増えれば、保険会社の業務量や人件費が高くなる可能性があります。
また、通院のみの医療保険の場合は、リスクの発生確率が高くなるため、保険料が高額になる傾向があります。
高額な保険料になってしまうと、保険会社にとっては販売しにくい商品となる可能性があるのです。
通院のみの医療保険は、契約者だけではなく保険会社にとってもデメリットが大きいため、余り存在していないのです。
医療保険で通院のみはある?どのようなケースに適しているか紹介
契約者や保険会社にとって、デメリットのある通院のみの医療保険。
そのような医療保険に適しているケースはあるのでしょうか。
通院のみの医療保険は、必要な期間だけ契約するケースに適しているでしょう。
例えば、通院治療だけではなく、一時保育代など別途費用が必要なケース。
あるいは、貯蓄や手当金の範囲で補うことが厳しいケースなどが上げられます。
通院治療に伴うリスクへの備えになるでしょう。
通院のみの医療保険の多くは、1年ごとの更新が主となっています。
「この1年間だけ契約する」と限定的に加入するスタイルが適しているのではないでしょうか。
医療保険以外になりますが、がん保険にも通院のみ保障するタイプがあります。
最近は、医療技術の発達によりがんの治療方法も多様化してきました。
そのため、通院による治療方法が増え、通院のみ保障するタイプが登場してきたのです。
医療保険で通院のみはある?がん保険の場合
通院のみの保険は、一般的な医療保険よりもがん保険の方が多くあります。
がんの治療方法は、医療技術の発達に伴い、多様化してきました。
以前に比べると、入院期間が短くなり通院による治療が増えてきたのです。
そうした事情に合わせて、がん保険に、一時金保障や通院保障が登場しました。
一時金保障とは、がんの治療方法を限定せず、がんと診断されたことで給付されるもの。
通院保障とは、がん治療の通院に掛かる費用を保障します。
通院保障の場合、治療目的が前提条件となります。
検査や薬の受取だけの通院は、保障の対象とならないため、注意して下さい。
医療保険で通院のみはある?大切なポイントを紹介
通院のみの医療保険について、解説してきました。
医療保険に加入する場合、必ず保険料を支払わなければなりません。
医療保険の保障内容をしっかり確認して、必要かどうか検討しましょう。
そもそも、通院のみの医療保険は必要なのでしょうか。
医療保険を検討する時の大切なポイントを、3点紹介しましょう。
- もし、通院した場合、給付金はいくらになるのか。
- 通院給付金がなければ、経済的な生活が厳しくなるのか。
- 通院保障は、あなたが想定している内容と異なっていないか。
通院の保障内容は、各商品や保険会社によってさまざまです。
もし、不明点や疑問点があれば、専門家や各保険会社に相談することをお勧めします。
あなたの経済状況や生活環境、そして健康状態をしっかり把握しておいて下さい。
その上で、保障内容が適しているか検討することが大切です。