JCBのクレジットカード会社から送られてくるがん保険のチューリッヒのフリーケアプログラムとはどんな内容なのか、保証範囲や気をつけるべき事などを本記事で解説をします。
筆者もクレジットカード会社からの『大事なお知らせ』と書かれた封書を何度か受け取り、開けてみると入院保険だったりがん保険だったりすることが多くなってきたので見ずに捨てることもあったりします。
開けないと内容が分からないことも多いので、これのせいで本当に大事なクレジット会社からの情報を見落とす事にならないか心配になることが度々あります。
無料の保険を案内するのは構わないのですが、広告なら広告と封書表面にしっかりと表記してくれると、受け取る側にとってももっとありがたいのですけれどね。
JCBのがん保険のチューリッヒのフリーケアプログラム|無料がん保険って何?
クレジットカードを持っていると『この案内を返信するだけで、簡素な保険に無料で加入できますよ』というダイレクトメールが届くことがあります。
楽天カード、nanaco、イオンカード、りそなカード、エポスカード、クレディセゾンと言った著名クレジットカードをお持ちの方なら一度くらいは受け取ったことがあるでしょう。
がん保険はがんにかかる可能性が高くなる年代を狙って案内を送ってくるようですが、似たようなもので『入院保険 フリーケアプログラム』という案内を受け取ったことがある人も多いのではないでしょうか?ちなみにそちらの内容は
- 交通事故、駅の構内など改札口の内側で被った事故、乗物の火災による事故で
- 交通事故などで5日以上入院をした場合
- 入院一時金として3万円が支払われる
という保険に無料で加入できるという内容になっています。
それのがん保険版という訳ですね。
JCBのがん保険のチューリッヒのフリーケアプログラム|がん保険の詳細
がん保険版のフリーケアプログラムはおもにJCBブランドのクレジットカード契約者に送られる案内で、がん保険の場合は『がん診断時、一時金として30,000円が支払われる』という補償内容になっています。
ついつい「無料なら入っておくか」と思うかも知れませんが、がん保険の方も入院保険と同じく支払いの対象となる範囲が非常に狭く、ハッキリ言うとあまり現実的ではありません。
入院保険の方は先に挙げたように、交通事故以外のシチュエーションが非常に限定的で、その上5日未満の入院では補償が受けられないのです。
保証の範囲が狭すぎるため保険として加入する意味はかなり薄いと言えるでしょう。
そちらの方もまともな(現実的な保証範囲と支払い条件で)補償をうけるには、月額500円~の追加保証プランに入る必要があります。
つまり『無料』という文字で興味を持ってもらい、実際には普通に保険料が発生する有料オプションに入ってもらうのが目的な訳です。
がん保険も同様に無料でカバーできる範囲は入院保険と同様、現実的ではありません。
- 保証期間は2年間
- 悪性新生物のみが保証の対象
- 支払われるのは30,000円
となっています。
しかも支払いは『継続』ではなく『一時金』で、1回だけしか保険金を受けることができません。
がん治療に詳しくなくても前述の入院保険の無料保証の非現実的な条件と照らし合わせれば、このがん保険の適用条件と補償内容も現実的ではないことが理解できるでしょう。
JCBのがん保険のチューリッヒのフリーケアプログラム|何故無料なのか?
条件は厳しいとは言え、保証の範囲が狭い以外は真っ当な内容なのでインチキや詐欺というわけではありません。
保険会社としてはまずは興味を持ってもらい、本当に入って欲しいがん保険(追加補償プラン)の方をさりげなく進めている訳です。
たとえ無料の保険のみ加入する人でも「保険に興味がある人」の個人情報が入手でき、それを元に他の保険の案内を送ったりできるわけですから保険会社としては例え無料期間だけの加入でもそれなりの旨みがある訳です。
一人分の個人情報というのは大した価値はありませんが、それが大量に集まればそれなりに価値がある物に生まれ変わります。
ですから無料の保険に加入してもらうだけでも保険会社にもメリットがあり、その保険料もクレジットカード会社側から支払われるので無料でもチューリッヒ(保険会社)が損をしない仕組みになっているのです。
JCBのがん保険のチューリッヒのフリーケアプログラム|追加補償プランはどんな内容?
有料の『追加補償プラン』は
- 先進医療に対する保険 2,000万円まで
- がんと診断されたときの一時金 50万円
- がんで入院したとき 日額5,000円の補償
という極めて現実的な補償内容となっています。
必要な月額料金は年齢や性別によって違い(おおむね月額1,000円程度から)があり、ダイレクトメールを送る対象の年齢や性別によって実際に表記されている金額は異なります。
上記の内容と比べると無料のがん保険の方は、狭い保証範囲に運良く該当しお金を受け取れたとしても『3万円を1回限り』では『焼け石に水』と判断されても仕方ありません。
本当にがん保険が必要だと思うのあれば有料の追加補償プランに加入するか、ファイナンシャルプランナーなど専門家の助言を元に現実的な補償があるがん保険に加入すべきでしょう。
JCBのがん保険のチューリッヒのフリーケアプログラム|利用者にはメリットはないのか?
ですがチューリッヒ側だけでなく利用者側にもメリットがない訳ではありません。
この案内から『追加補償プラン』という保険に加入した場合、代理店を通さず人件費も掛かっていないのでチューリッヒ側はそういった諸々の経費を抑えることができます。
経費が抑えられるということはその分一般的な保険会社よりも安い保険料で同程度の補償を提供できるとも取れるので、利用者側にも安い保険料でがん保険に加入できるというメリットが出てくるのです。
もちろん細々とした条件や実際の保険料は契約する人が自ら比較して契約するという手間は発生するでしょうが、すこしでも保険のコストを抑えたいという方であれば契約を検討してみる価値もあるでしょう。
JCBのがん保険のチューリッヒのフリーケアプログラム|まとめ
- 無料のがん保険はJCB(クレジットカード会社)が保険料を支払い、提供はチューリッヒが行っている。
- 本当は有料の追加補償プランに入ってもらうのが目的だが、無料加入だけでもチューリッヒは保険に興味がある人の個人情報を手に入れることができる。
- 無料のプランでは保険金を受け取れる条件が厳しく、その内容も一時金のみかつわずかな金額でがん保険としては現実的ではない。
- チューリッヒ側が抑えられた諸経費を保険料の安さという形で利用者に還元してくれるのであれば、有料プランの利用者側にもメリットがある。
以上を踏まえると利用者側としては『無料のプランにだけ入るメリットはあまりない』が『有料プランが他のがん保険より安ければ検討の価値あり?』と言えるでしょう。