かんぽ生命の保険料は、大手やネット販売の生命保険に比べて高いと言われています。
かんぽ生命の保険料は安い印象がありますが、なぜでしょうか。
かんぽ生命の保険料は安く設定されているのですが、それ以上に保障金額も低くなっています。
保険料と保障金額のバランスを考えた時、民間保険会社よりも、かんぽ生命の保険料が割高と言われる所以です。
かんぽ生命は、株式会社かんぽ生命保険によって運営されています。
株式会社かんぽ生命保険は、2007年に旧日本郵政公社から生命保険事業を引き継ぎ、誕生しました。
かんぽ生命の概要、保険料が高い理由、メリットやデメリットについて解説します。
また、かんぽ生命を選ぶ時の注意点についても紹介しましょう。
かんぽ生命の保険料が高い?|かんぽ生命の概要
かんぽ生命は、株式会社かんぽ生命保険によって運営されている保険のこと。
株式会社かんぽ生命保険は、2007年の郵政民営化に伴い誕生しました。
旧日本郵政公社が扱っていた保険部門を引き継いでいます。
但し、かんぽ生命は、旧日本郵政公社が扱っていた簡易生命保険や郵便年金とは別物です。
大きく異なる点は、政府保証の有無になります。
簡易生命保険や郵便年金には政府保証がありましたが、かんぽ生命には政府保証がありません。
政府保証がないため、かんぽ生命は「生命保険契約者保護機構」に加入しています。
かんぽ生命の主な特徴として、2点上げられます。
1つ目は、加入しやすい点。
かんぽ生命は、民間の保険会社に比べて、加入しやすい特徴があります。
実は、無審査で加入ができ、職業による制限もないのです。
かんぽ生命に申込みをする時、健康状態に関する医師の審査は必要ありません。
民間の保険会社の場合、リスクの高い職業には加入制限がありますが、かんぽ生命にはないのです。
2つ目は、保険金額に制限がある点。
基本契約の場合、保険金額は、満15歳以下が700万円まで、満16歳以上が1000万円までとなっています。
また、年金保険は年額90万円までとなっているのです。
かんぽ生命は、一般的な生命保険よりも加入しやすくなっていますが、保障金額が小さくなっています。
かんぽ生命の保険料が高い?|高い理由
かんぽ生命の保険料は安く設定されているのに、民間の保険に比べて割高と言われています。
なぜ、割高と言われているのでしょうか。
実は、かんぽ生命の保険料は安く設定されてはいるのですが、それ以上に保障内容が低くなっているからです。
そのため、保険料と保障内容のバランスを考えた時、民間保険会社に比べて、保険料が割高になるのです。
かんぽ生命は、無審査で加入をすることができ、職業制限もありません。
そのため、民間保険会社で断られた方が、かんぽ生命に加入することがあります。
つまり、リスクの高い方が、かんぽ生命に加入する可能性が高くなっているのです。
こうした事情が背景にあるため、保障内容に対して、かんぽ生命の保険料は割高になっているのです。
かんぽ生命の保険料が高い?|かんぽ生命の種類
かんぽ生命には、どのような保険があるのでしょうか。
かんぽ生命には、終身保険、養老保険、学資保険、定期保険、長寿支援保険があります。
終身保険とは、生涯を通して保障を得ることができる保険のこと。
保障内容によって、4種類の保険商品があります。
保険料の払込期間満了後の保障内容によって、4つの種類に分けられています。
養老保険とは、死亡保障と満期保険金が同額に設定された保険のことです。
死亡保障だけではなく、将来にそなえた資産づくりも可能となっています。
学資保険とは、子供の学資金の準備を目的とした保険のこと。
子供の小学校・中学校・高等学校・大学の進学時に、学資祝金として給付を受けることができます。
死亡保障や医療保障をプラスすることも可能です。
定期保険は、保険期間が10年間となっており、死亡保障がメインとなります。
保険料は掛け捨てのため、満期保険金の支払いはありません。
但し、保険料は安く抑えられています。
長寿支援保険とは、個人年金保険のこと。
死亡保障はありませんが、受取額を大きく設定しています。
支給された保険金は、公的年金の上乗せ分として、老後の資金に充てることができるのです。
かんぽ生命も、民間保険会社と同様、生命保険や年金保険を取り揃えています。
かんぽ生命の保険料が高い?|かんぽ生命のメリット
かんぽ生命には、主に3つのメリットがあります。
1つ目は、審査なしで加入ができる点。
医師の審査なしで、かんぽ生命に加入することができるのです。
もちろん、申込みの際には、告知書を提出し、面接を受けなければなりません。
告知書の内容を正しく記入していない場合、告知義務違反となるため、注意して下さい。
2つ目は、加入の際、職業制限がない点。
民間保険会社の場合、リスクの高い職業は、保険料が高かったり、保障内容に制限があったりします。
例えば、格闘家や登山家など、危険を伴う職業の方は加入できなかったり、制限があったりするのです。
しかし、かんぽ生命の場合は、職業制限がありません。
例えば、他の民間保険会社で断られた方も、かんぽ生命に加入することができるのです。
3つ目は、代理店(郵便局)が多いため加入がしやすい点。
郵便局で、かんぽ生命に加入の申込みをすることができます。
郵便局は日本中どこにでもあるため、かんぽ生命の相談や加入がしやすくなっています。
代理店の多さも、かんぽ生命のメリットの1つです。
かんぽ生命の保険料が高い?|かんぽ生命のデメリット
かんぽ生命のデメリットを3点、紹介しましょう。
1つ目は、保険金額が少ない点。
かんぽ生命の保険金・年金額には、上限が設定されています。
例えば、基本契約の場合、保険金額の上限が1000万円になります。
基本的には、1000万円以上の保障を受けることができません。
但し、申込者が一定の条件を満たした場合、上限2000万円まで増額することは可能です。
また、年金の場合も、年額90万円までと設定されています。
2つ目は、掛け捨てタイプの医療保険・がん保険がない点。
かんぽ生命では、民間保険会社とほぼ同じような保険商品が用意されています。
しかし、掛け捨てタイプの医療保険やがん保険がないため、注意が必要です。
主契約にプラスして医療保障を付けることは可能です。
掛け捨てタイプの医療保険、がん保険を検討している場合、民間保険会社を選択した方が良いでしょう。
3つ目は、実質的な保険料が高い点。
かんぽ生命の保険料は安く設定されていますが、保障内容も低いため、実質的には割高になっています。
保険料と保障内容のバランスを考えると、民間保険会社に比べて高くなっているのです。
病気などのリスクに備えて、十分な保障を希望する方は、民間保険会社の保険の方が良いかもしれません。
かんぽ生命の保険料が高い?|選ぶ時の注意点
かんぽ生命を検討する時、メリットとデメリットをしっかり理解しておきましょう。
かんぽ生命は、無審査で職業制限がないため、加入しやすいというメリットがあります。
結果として、リスクの高い方も加入ができるため、保険料が割高になる点に注意しておきましょう。
一方、民間保険会社の場合は、審査を行い、職業制限もあるため、高リスクの方の加入ができません。
リスクの高い方が加入できないため、保障内容に対する保険料は、割安になっています。
将来のリスクに備えて、医療保障などを充実させたい方にとっては、かんぽ生命は不向きかもしれません。
但し、民間の保険への加入が厳しい方、あるいは貯蓄型の保険を検討している方は、検討してみても良いでしょう。
もし、保険について疑問点や不明点がある場合は、専門家への相談もおすすめです。
経済状況だけではなく、将来起こるかもしれないリスクも想定して、保険の加入や変更を検討しましょう。