日本生命で販売されている生前贈与のプランについてお話しします。
生前贈与というと現金であったり、土地であったりと言った資産に目が行きがちですが、実は保険商品に関しても生前贈与することができるというプランがあります。
非常にユニークで画期的なシステムの商品なのですが、どういった内容の商品なのでしょうか。
日本生命の保険に生前贈与はあるの?プランとは?
保険というと自分が死亡した時や何か障害やけがを負った時、事故を起こした場合、あるいは火災や地震に被災した場合にお金が支払われるというイメージのことが多いです。
しかし、近年日本生命から非常にユニークな保険商品が発売されました。
それが「夢のプレゼント」です。
これは生前贈与ができるという商品で、今までの保険にはめったに出てこない言葉「生前贈与」というキーワードを前面に打ち出した非常に斬新な商品です。
しかし、これはキーワードの斬新さだけではなくプランの内容としても斬新な商品なのです。
次の項目からその内容やメリットデメリットなどをお話しします。
日本生命の生前贈与プランの内容
日本生命の生前贈与プラン「夢のプレゼント」は生前贈与を目的の1つとして作った商品です。
その内容についてお話していきます。
この商品は一言でいうと保険料を一括で支払い外国のお金に運用してそのお金を定期的に受け取ることができるというものです。
詳しくお話すると保険料(最低300万円)を一時払(一括払い)し、それを定率の積立利率(保険会社が保険料を積み立てているお金にかかる金利)で運用する変額保険(受取額が運用結果で変わってしまう保険)になります。
ポイントは受取人の設定です。
生存給付金という形で毎年お金を受け取ることができるのです(年々保険料の一部が切り崩され、運用益を加算した額が給付金として支払われ続け、指定した満了時に一時払いした保険金が全て支払い終わる)が、その受取人を本人ではなく、家族などに指定できるという点です。
この給付金の受け取りを次の相続人に指定することで生前贈与が可能になるのです。
日本生命の生前贈与のプランの税金は?
気になるのが夢のプレゼントにかかる税金です。
一見生前贈与で保険料を受け取るだけなので相続税などの税金を受け取ることはないと思いがちですが、税金がかかってしまう場合があります。
それは生前贈与額を増やし過ぎて、贈与税の基礎控除額である110万円の範囲を越えてしまう場合です。
夢のプランも相当大きな契約をしないとそういった事態は起きませんが、万が一そんな事態になった場合は贈与税の課税対象となります。
例えば1,000万円の一時払いを行い、5年を満了というプランにしてしまった場合、毎年200万円という形で受取人に生前贈与されてしまいます。
そうなると200万円から基礎控除額である110万円を引いた金額である90万円の部分に贈与税がかかってしまうのです。
更に最後の年は200万円+トータルの運用益が対象となるので非常に高額になる恐れがあります。
そうなることはないように設定されていますが、税金がかかります。
また、高額ではありませんが運用益分に税金がかかります(それは事前に支払われており、差し引きされた金額となっています)。
日本生命の生前贈与プランのメリット
日本生命の夢のプレゼントはメリットがあります。
それは相続税対策になりうる保険商品だからです。
贈与税の控除となる110万円を毎年受け取ることで実質親から子へ110万円相続したことになります。
しかも課税されませんから、親が亡くなった時、受け取った分だけ相続税の対象から外れたことになるのです。
これがメリットです。
さらに運用益が大きく出た場合親から子へ贈与される過程で運用益の分も加算されて受け取ることができます。
また贈与契約書の作成や、贈与額の銀行口座への入金処理など、面倒な手続きを必要としませんから、一度保険料を支払ってしまえば毎年簡単に生前贈与ができてしまうというメリットもあります。
日本生命の生前贈与プランのデメリット
日本生命の夢のプレゼントは外貨建ての保険商品です。
なので全くデメリットがないわけではありません。
それは元本割れです。
最低の保障があるのですが、元本割れまで保障してくれるわけではありません。
例えば300万円保険料として支払っても280万円程度になることがあります。
外国のお金に換えて運用するのでその時々の為替相場により日本円で受け取ると目減りしてしまうことがあるのです。
特に受け取りの後半の期間で円高(対象となる外国のお金に対して)になった場合そうなりやすい傾向にあります。
何年も続けてそうなうことがないように運用されているとは思いますが、一時払いの保険料より減るリスクがあることは知っておいた方が良いです。
日本生命の生前贈与プランはユニーク
保険というと今までは生命保険を除き、支払った本人が受け取ることがほとんどでしたが、今回紹介した日本生命の夢のプレゼントは本人が生きていながら相続人となる家族を受取人に指定して、毎年指定した金額を生前給付金として受け取ることができます。
贈与税の控除額内であれば問題なく相続できるので便利なのですが、運用によっては保険料の元本割れというリスクもあります。