民間のがん保険と共済の新がん特約を比較して、どちらに加入しようかと迷う人は多いのではないでしょうか。
ここでは、双方の特徴・メリット・デメリットなどを詳しく解説していきます。
自分のニーズに合うのはどちらか、判断材料にしていただけたらと思います。
がん保険と共済の新がん特約を比較解説|共済と保険の違い
共済とは協同組合などの団体が運営している保険の仕組みです。
代表的なものに都民共済・県民共済・全労済などがあります。
一方、民間の保険は保険会社が運営主体となっています。
共済に加入するには、出資金を払って組合員になる必要がありますが、民間の保険では出資金なしで誰でも加入できます。
両者では用語の違いがあり、民間の保険での「保険料」が共済では「掛け金」、「保険金」が「共済金」となります。
共済は民間の保険と違い営利目的でないため、掛け金(保険料)が安い、割戻金(配当金)があるなどのメリットがあります。
しかし、保障額は上限3,000万円程度と民間の保障額上限3億円に比べると少ない金額です。
共済は出資金も掛け金も安く負担が少ないですが、その分保障は薄くなり十分な備えができない部分もあります。
がん保険と共済の新がん特約を比較解説|共済の新がん特約
共済では生命共済という死亡と入院に備えるプランに「新がん特約」を付帯できます。
月掛金に1,000円または2,000円の上乗せでがん治療に特化した保障を受けることができます。
新がん特約は入院時の支払いに日数限度がなく、長期入院をサポートします。
通院だけの治療も保障の対象となり、1日目から60日目まで共済金が支払われます。
悪性新生物だけでなく、転移の少ない上皮内新生物も保障対象です。
がん診断では初回だけでなく、2度目の診断でも共済金が支払われます。
手術や再発に対しては何度でも手術共済金が支払われます。
保険適応外の先進医療にも対応しています。
新がん特約の掛け金は割戻金の対象で、決算後に剰余金が生じた時は割戻金が還元されます。
がん保険と共済の新がん特約を比較解説|民間のがん保険と比較
民間のがん保険は保障内容に合わせて保険料を幅広く柔軟に設定することができます。
がんリスクは年齢と共に高くなるので、がん保険の保険料は年齢に比例して高くなります。
共済の掛金および新がん特約の上乗せは年齢に応じて高くなることはありませんが、新がん特約の保障内容は60歳以降薄くなっていきます。
診断保障では、症状が比較的軽い上皮内新生物と診断された場合、がん保険では保障が適用されない、または保障額が減額されるケースがありますが、新がん特約では同等の保障を受けることができます。
がんが再発した際の診断保障では、がん保険が1度目の診断から1、2年経過していることが条件ですが、新がん特約では5年経過後に2度目の保障を受けることができます。
がん保険と共済の新がん特約を比較解説|新がん特約のメリット
新がん特約のメリットは安い月掛金に1,000円または2,000円の上乗せでがんに対する保障を受けられることです。
民間のがん保険に比べると保障内容で劣る部分はありますが、年齢に関係なく一律の金額で加入できます。
がん保険に加入する際には職業や健康面での審査を通過する必要がありますが、共済では職業面の審査がなく、健康面での審査も自己申告のため、医者の診断書を提出する必要がありません。
がん保険の加入審査に落ちた場合でも、新がん特約には加入できる可能性があります。
新がん特約の掛け金は割戻金の対象となり、決算後に剰余金が生じた時は割戻金が還元されます。
都道府県によって異なりますが、平均で掛金の30%くらいが割戻金として戻ってくるというデータがあります。
がん保険と共済の新がん特約を比較解説|新がん特約のデメリット
新がん特約のデメリットは年齢と共に保障内容が薄くなることです。
60歳以降はがん診断・入院・通院・手術などの保障が半額程度になり、その後も年齢に応じて減額されていきます。
共済に加入できる上限年齢は69歳までで、がん保障を受けることができるのは80歳までと限定的です。
生涯の保障を受けたい場合はがん保険の終身型に加入する方が良いでしょう。
近年のがん治療は医療技術の進化に伴い、抗がん剤治療や放射線治療など通院しながら治療することが主流になっています。
新がん特約の通院保障は60日目までですが、がん保険ではそれ以上または日数無制限の通院保障となっています。
保障内容はがん保険の方が時代のニーズに合っていると言えるでしょう。
がん保険と共済の新がん特約を比較解説|まとめ
共済の新がん特約と保険会社のがん保険について見てきました。
新がん特約は安い月掛金に上乗せする形でがんに対する保障を受けることができます。
がん保険に比べると、保障内容は劣る部分はありますが、年齢に関わらず手頃な金額で加入できることはメリットです。
しかし、年齢と共に保障内容は薄くなり、80歳を過ぎると保障が受けられないというデメリットがあります。
がん保険と比較して、保障内容・保障期間・月々の負担などどちらが魅力的であるか、総合的に判断することが大切です。