ガン保険への加入を考えた時に、喫煙者は不利になるのではないかと思われがちですが、実際には生命保険とは異なる運用がされています。
なぜなら、ガン保険は全ての悪性新生物に対しての保険であって、リスク管理さえ出来れば良いからです。
では、生命保険とガン保険では喫煙者に対してどのように対応しているのでしょうか。
ガン保険は喫煙者は不利？喫煙と肺がんの因果関係がガン保険に与える影響
喫煙と肺がんの因果関係は既に証明されているものの、ガン保険では喫煙者であるという理由で加入を断られることはありません。
生命保険へ加入しようとした時には、喫煙者と非喫煙者では払込保険料に差が生まれることが多く、加入前検査で引っかかり加入を断られることすら少なくありません。
しかし、がん保険がカバーしている悪性新生物については、上皮内新生物とは異なり進行性悪性がんに該当するので、肺がんに限定してガン保険を販売しているわけではありません。
確かに喫煙により肺がんリスクが高まりますが、同時に副流煙による被害状況が深刻な状態となっていることを考えれば、ガン保険加入に喫煙者かどうかの区別はしない状況です。
ガン保険は喫煙者は不利？ガン保険と生命保険では喫煙者に対する取り扱いが異なる
がん保険では喫煙者と非喫煙者に違いを設けないものの、生命保険では非喫煙者に対して割引特典を設けることで実質的に差をつけています。
背景として、生命保険では死亡保障が主契約となるために肺がんを原因とする死亡率の高さをリスクとして敬遠しているからです。
ガン保険は実際に加入時には悪性新生物が発見されなくても、保障期間中にがんを発症した場合のみ給付金を受け取る仕組みとなっています。
あくまでも診断給付金や入院給付金といった生きるために本人が受け取る保険金ですから、保険の趣旨がそもそも異なるわけです。
自らの命を断とうとする手段としてがんを選ぶことは非現実的なために、ガン保険では喫煙習慣は参考程度にしかしません。
ガン保険は喫煙者は不利？生命保険で行われている非喫煙者に対する割引はガン保険に適用されない
生命保険で行われている非喫煙者に対する割引制度は、死亡リスクを独自の指標で分析した結果に基づいているので、ガン保険のものとは異なります。
初期状態を喫煙者に限定した状態にして、死亡リスクが低い非喫煙者については検査を行った上で非喫煙者割引を適用するわけです。
具体的にはニコチン残留量を検査することで、1年以内に主流煙と副流煙の影響を受けていないことを証明します。
ヘビースモーカーの場合には、1年以上前から禁煙をしていてもニコチン残留量が出てしまうことがあり、副流煙に囲まれて生活をしていても同様に非喫煙者割引を受けられません。
ガン保険ではがん発症に対する給付金が保険の目的ですから、そもそも非喫煙者割引を設けなくてもガン発症率のみ追えば良いわけです。
ガン保険は喫煙者は不利？なぜガン保険では非喫煙者割引が行われないのか
がん保険では非喫煙者割引が行われない理由として、喫煙と肺がんに因果関係があることは証明されても、他のがんに対して発がん物質を常時大量に取り入れているからといって全ての喫煙者ががんになるわけではないからです。
個人の免疫力には差が大きいので、主流煙のみを吸い続けていても副流煙を周囲に撒き散らして本人はさほど吸っていなければ毒性は少ないという状況が生まれています。
ガン保険で取り扱うがんの種類は全身多岐に渡るので、肺がんリスクのみ喫煙との因果関係が証明されていても具体的に非喫煙者だけ割引する数値化が出来ない状況です。
ガン保険は喫煙者は不利？喫煙者だからといってガン保険加入を断られることは無い
喫煙者であってもガン保険加入を断られない理由として、ガン保険は現在がん患者かどうかを重視しているからです。
喫煙習慣があったとしても、現在は健康状態を維持しているならば、ガン保険加入を特に問題なく認めています。
喫煙習慣については保険会社によりアンケートレベルで行われることはあっても、全てのがんに対してリスク管理出来るほど喫煙による影響を数値化出来ていない以上は、ガン保険の目的を重視するために喫煙有無による加入拒否は行われません。
しかし、加入時の検査については喫煙習慣があると、肺がん検査を慎重に行うことはあるのであくまでも現在健康ならばガン保険加入を断られないという意味です。
ガン保険は喫煙者は不利？喫煙者であってもガン保険加入は非喫煙者と変わらない
喫煙者であってもガン保険加入は、非喫煙者と変わらない対応を各保険会社は行っています。
なぜなら、ガン保険は診断給付金や入院給付金といった治療目的で使われる保険金を支払うタイプだからです。
死亡リスクを管理する生命保険とは保険趣旨自体が違うので、具体的に肺がん以外の全身に発生するがん発症率と喫煙の因果関係が数値化されない限りガン保険では喫煙有無は加入審査に影響しません。