妊娠糖尿病で出産して生命保険で保障できる?現在出産を控えている方の中には、妊娠の影響で妊娠糖尿病を発症したため出産時には生命保険や医療保険は給付されるのだろうかと疑問に思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
妊娠糖尿病は一時的な疾患であり、直接的な生活習慣病では無いことから通常出産を行う場合は保険金が給付されることはあまりありませんが、中には給付の対象となるケースも存在するため対象者自身が知識を身につけておく必要があります。
そこで今回は、妊娠糖尿病についての説明や保険金が給付されるケースなどを中心に、妊娠糖尿病における出産と生命保険について解説していきます。
妊娠糖尿病で出産して生命保険で保障できる?|妊娠糖尿病とは?
妊娠糖尿病と聞いてもあまりピンとこない、または妊娠糖尿病そのものの存在がよく分からないと言う方もいらっしゃると思いますので、まずは妊娠糖尿病という疾患について説明をしていきます。
妊娠糖尿病は、妊娠中に発覚する一時的な糖尿病のことを指し、妊娠によって膵臓から分泌されるインスリンの量が低下し血糖値の上昇を押さえることができず高血糖状態が続くなどの糖代謝異常を引き起こす疾患のことを指します。
妊娠前や妊娠中に妊娠したことに関連が無く糖代謝異常と診断された場合には、妊娠糖尿病には該当されず、生活習慣病である一般的な糖尿病に分類される事が特徴です。
症状は人によって様々ですが、一般的な糖尿病とは異なり水分摂取量が急増したり排尿回数が増えるなどの症状はほとんど発生せず、血糖値が高い状態になり羊水量が異常をきたすなどの症状が一般的です。
基本的には出産をすることで、膵臓からのインスリン分泌量が回復し自然と糖代謝異常が改善しますが、将来的に糖尿病を発症するリスクが高くなるとも言われ、特に両親や祖父母が糖尿病を患っている場合には、次回妊娠時にも妊娠糖尿病になりやすい傾向にあります。
妊娠糖尿病で出産して生命保険で保障できる?|妊娠糖尿病で保険金は給付される?
妊娠糖尿病は通常の糖尿病とは異なり、妊娠約20週目以降から出産時まで限定された一時的な糖代謝異常を引き起こす病気ですが、万が一発症した場合は保険金が給付されるのかと疑問に思っている方も多いと思います。
結論から先に言ってしまうと、妊娠糖尿病を患った状態で通常分娩による出産を行った場合には、生命保険や医療保険の給付対象外となるため保険金が下りることは無いのが一般的です。
これは、慢性的な疾患では無くあくまでも妊娠から出産までの限られた期間だけ発症する病気であることが要因となっており、特別な医療行為を必要としない症状の場合は妊娠糖尿病の疑いと判断され疾患者として扱われないためです。
しかし、すべての場合において保険金給付の対象外になると言う事は無く、ある一定の条件を満たしていれば、給付金を受け取る事も可能となっています。
次からの項目では、給付の対象となる場合について解説していきます。
妊娠糖尿病で出産して生命保険で保障できる?|給付対象となるケース
前述した通り、妊娠糖尿病の疑いがある場合でも特に問題が無く通常分娩による出産を行った場合には、生命保険や医療保険の給付対象外となる事から保険金が下りる事はありません。
しかし、以下のケースに該当する場合には給付金の対象となる場合があります。
- 血糖値が下がらずインスリンの投与など医療行為を受けた場合
- 高血糖状態が続き血圧の上昇が見られたため、血圧抑制剤などの処方を受けた場合
- 妊娠糖尿病の疑いがあり、血糖測定などの検査を受けた場合
などが挙げられます。
日本では妊婦さんに対して投薬で血糖値を下げる行為は、胎児に対しての悪影響の有無がハッキリ分かっていないため禁止されていることから、インスリン注射による治療を行いますが、これらの行為は一般的な糖尿病患者と同じ医療行為を行いますので保険が適用されます。
逆に、インスリンの投与の必要が無く最初に医師から薦められる食事療法で血糖値をコントロールできた場合には、医療行為は行われず保険の給付対象外となるため保険給付金を受け取ることはできません。
そのため、給付対象となるためには検査や医療行為を受け医師から妊娠糖尿病であると診断される必要があるのです。
妊娠糖尿病で出産して生命保険で保障できる?|出産と妊娠糖尿病は別扱い
妊娠糖尿病は検査や医療行為を受け正式に病気を発症していると診断されれば、生命保険や医療保険の給付対象となることが分かったと思いますが、出産に関しては保険適用対象なのかと疑問を持つ方もいらっしゃると思います。
結論としては、妊娠糖尿病と出産は保険の部類で言うと別扱いになるため、疾患者であっても通常分娩による出産を行った場合には非疾患者と同様に保険の適用対象外となります。
しかし、帝王切開による出産はケガや病気では無いものの手術や投薬などの医療行為を受ける事になるため、妊娠糖尿病と帝王切開の2つで保険の適用対象となるケースがほとんどです。
また、切迫早産など急を要し入院期間が長くなると予想される場合にも帝王切開の場合と同様に、手術や投薬などの医療行為を受ける事になるため生命保険や医療保険の適用対象となりますが、加入している保険の種類によっては一部給付の対象外となる項目も存在しますので、事前に確認を行うことや医師と相談する事をおすすめします。
妊娠糖尿病で出産して生命保険で保障できる?|妊娠糖尿病と診断された後でも保険に加入することは可能?
昨今では、医療技術が発展し細かい項目の病気が診断されるようになりましたが、その中でも妊娠糖尿病という疾患は2010年代になってから正式に国際診断基準が制定された疾患であることから馴染みが無く、妊娠してから初めて存在自体を知ったと言う方も多いのではないでしょうか。
特に妊婦さんの場合には、まさか自分が妊娠の影響で糖尿病なるとは考えておらず糖尿病に関連した保険に未加入という場合も多い事から、妊娠糖尿病が発症してからでも保険に入ることができるのかと不安に思っている方もいらっしゃると思います。
この場合、各保険会社の契約制限や内容によって異なるものの妊娠糖尿病が発症した後からでも保険に加入することは可能です。
ただし、今回の妊娠と出産に関しての給付金は発症前の事前契約とは異なり支給額が少なくなる場合がありますので、事前に契約内容を確認すると良いでしょう。
妊娠糖尿病は1度発症するとその後の妊娠でも再び発症する可能性が高いため、今後も妊娠と出産を予定している場合には、そのときに備えて保険に加入しておくと言う事も有効的だと言えます。
妊娠糖尿病で出産して生命保険で保障できる?|まとめ
今回は、妊娠糖尿病についての説明や保険金が給付されるケースなどを中心に、妊娠糖尿病における出産と生命保険について解説してきましたが、妊娠糖尿病は医師から正式な診断を受け医療行為などを受ければ保険金の給付対象である事が分かったと思います。
妊娠糖尿病を発症していても、特に医療行為を必要とせず通常分娩による出産を行った場合には給付金の支給対象外となりますが、帝王切開での出産の場合には妊娠糖尿病と切り離されて保険が適用されるため、給付の対象となります。
また、糖尿病関連の保険に未加入の場合でも保険会社の契約内容によっては妊娠糖尿病を発症した後でも加入できる場合がありますので、検討すると良いでしょう。