医療保険の中には、満期払い戻し特典が付いている貯蓄型や積立型の医療保険があります。
しかし、近年は掛け捨て型の医療保険が大半を占めていますが、なぜ貯蓄型の医療保険が少なくなっているのでしょうか。
満期払い戻し特典の特徴を理解した上で、貯蓄型の医療保険を選ぶ必要があります。
医療保険で満期払い戻しがあるタイプは長期間加入が前提
医療保険には、満期払い戻しがあるタイプとして貯蓄型・積立型の医療保険があります。
加入年齢と保障内容に合わせた払込保険料を、継続して長期間に渡り払い続けることにより、解約を行う際は満期払い戻し金を受け取ることが可能です。
しかし、満期払い戻し金は既に払込した保険料のうちごく僅かに留まるので、そっくりお金が戻ることはありません。
数十年加入しても全額返ってくることが無いほど、払込保険料の積立効果は実際に保険金を受取している人が多いからこそごく僅かとなるわけです。
保険金と事務手数料を払い終えて残ったお金に相当する金額を受け取れるに過ぎません。
医療保険の満期払い戻しは保険料が高い
医療保険で満期払い戻しがあるタイプを選ぶと、毎月の保険料が高くなる傾向があります。
掛け捨て型の医療保険ならば、単年度ごとに収支を計算出来ますが、貯蓄型や積立型の場合には予定利率による運用益を考慮した上で複雑な計算が必要です。
満期までの期間が10年から数十年と長いために、医療保険で満期払い戻しを受ける際には積立分のお金も含まれた金額を払うことになるので保険料が高くなります。
継続的に物価が上昇していて予定利率が高い好景気が続けば良いですが、デフレぎみで不況が続いていると予定利率の引き下げが起きかねません。
最初から払込保険料総額よりも少ない金額しか、満期払い戻し時に受け取れないと考えることが現実的です。
医療保険で満期払い戻し無しのは見直しがしやすい
満期払い戻し無しの医療保険ほど、細かく契約内容を見直したり他社への切り替えを行いやすいです。
なぜなら、後から登場した医療保険の方が先行している医療保険よりも保険の内容が優れている傾向があるからです。
先進医療特約やがんに対する特約の充実度は、新しい医療保険ほど充実しています。
満期払い戻しが付いた医療保険は、ベースとなる基本契約を満期まで変更しづらい状況にあるので、見直し可能な範囲内があくまでも同一社内のオプション契約部分に限定されるわけです。
掛け捨て型の医療保険ならば、必要な期間だけ加入すれば良いので、医療保険の見直しに対するハードルが下がります。
医療保険で満期払い戻し付きのは選択肢が少ない
満期払い戻し付きの医療保険は、バブル期ほどの高い予定利率を期待出来ないために、保険料の割に保障内容が薄いと感じられます。
このため、医療保険は掛け捨て型で良いと考える人が少なくありません。
掛け捨て型の医療保険や共済タイプならば、最小限の払込保険料で最大の保障が受けられるので、生命保険とは異なり最初からライフステージに合わせて最も有利な医療保険へ乗り換えながら加入出来ます。
細かく医療保険の見直しをすること自体を苦手としていない限りは、満期払い戻し付きの医療保険の出番が少なくなるわけです。
それでも継続して販売されている満期払い戻し付きの医療保険は、保障内容が良い保険商品のみと考えられます。
健康に自信があるなら医療保険は満期払い戻し付きのを選ぶ
満期払い戻し付きの医療保険は、健康に絶対的な自信がある人に向いています。
最も満期払い戻し時の返戻金が多くなる可能性があるのは、東京海上日動あんしん生命が販売するメディカルKit Rです。
20年満期タイプの医療保険でありながら、20年間1度も保険金支払いを行わないと、返戻率100%となります。
予定利率による運用益のみで事務手数料まで賄うことになるので、投資に自信がある保険会社しか出来ない方法です。
20年間の間に保険金支払いを受けた分は満期時に払い戻し額から控除されることになり、払込額の合計よりも受け取った保険金の方が多い場合は払戻金が無しとなります。
医療保険は満期払い戻し条件に納得出来てから入ろう
医療保険へ加入していて満期払い戻しを受ける際の条件は、100%だけでなく50%から80%程度の保険会社が多いです。
貯蓄型や積立型の医療保険は、予定利率が安定している状況下で長期間加入し続けても良いと考えている人にオススメできます。
短期間で解約をするとほとんど返戻金が無いと知った上で加入すれば、満期払い戻し条件に納得した上で加入したことになるので問題ありません。