医療保険にデパスを服用しても入ることはできるのでしょうか。
デパスを服用したことがある人にとっては、デパス服用を告知する必要があるのか、入りやすい医療保険はあるのか、気になるところだと思います。
そこで、今回は、デパスの概要や、デパス服用の告知義務について、入りやすい医療保険についてまとめていきたいと思います。
医療保険はデパス服用でも入れる?デパスとは?
デパスとは、一般名をエチゾラムという抗不安薬・睡眠導入剤です。
チエノジアゼピン系に分類されます。
脳の中にあるリラックス状態と関係している神経受容体「BZD受容体」と結合することによって、リラックス状態と関係している神経を活性化させるという働きをしてくれます。
さらに、デパスには脊髄反射を抑えることによって筋肉の緊張を緩和する作用もあります。
そして、デパスは、依存性もそれほど高くはないため、比較的安全性の高い薬と言われています。
最高血中濃度になるまでの時間は比較的早く、血中半減期(服薬後の血中濃度が半減するまでの時間)が短いため、比較的即効性があるものの効き目が短いことが特徴です。
医療保険はデパス服用でも入れる?デパスはどのような疾患に効果がある?副作用は?
デパスは、不安感や緊張感を和らげてくれる薬のため、不安神経症やパニック障害などの不安障害、うつ病や統合失調症などの精神疾患の患者さんに効果があります。
さらに、筋肉の緊張を緩和する作用もあるため、緊張型の頭痛や腰痛、肩こりといった病気にも応用されて処方されることもあります。
また、身体をリラックスした状態にしてくれる効果から、睡眠が上手くいかない時に、睡眠導入剤として処方されることもあります。
副作用については、あまり重いものはないとされていますが、眠気やふらつき、倦怠感などを感じる方もいるそうです。
そのため、危険な作業や車の運転を控えた方がいい場合もあるので、注意が必要です。
医療保険はデパス服用でも入れる?デパスの服用は告知が必要?
それでは、デパスを服用したことがある場合、保険に入る際の告知でその事実を伝える必要はあるのでしょうか。
生命保険や医療保険に加入する際には、自身の健康状態などについていくつかの質問項目に答える義務(告知義務)があります。
例えば、以下のような質問があります。
- 過去5年以内の診療歴や通院歴
- 医師から薬を処方され、服用したことはあるか
したがって、どのような目的で処方されていたとしても、既定の年数が経過していなければデパスを服用していたことを伝えなければなりません。
睡眠導入剤としてごく少量を服用していたとしても、それは伝える必要がでてきます。
ここで、デパス服用の事実を隠して保険に加入してしまうと、告知義務違反に問われることになってしまいます。
医療保険はデパス服用でも入れる?睡眠導入剤としての使用でもダメ?
それでは、デパスを服用していたことを告知で伝えた場合、保険への加入は認められるのでしょうか。
特に、ごく少量を睡眠導入剤として服用している場合などは、私たちとしても軽い不調症状で服用しているだけだから大丈夫と考えてしまいますが、保険会社の認識は全く異なります。
保険会社は、睡眠導入剤としての少量の服用であったとしても、保険加入に対して慎重になる「精神疾患」の一種として考えます。
そのため、デパスを服用している、または、服用をやめてから5年以上経過していない場合には、通常の医療保険や生命保険に加入することは極めて難しいと言えます。
また、不安障害やパニック障害などの精神疾患を発症している場合も、通常よりも自殺や自傷などのリスクが高いと判断されてしまい、一般的な医療保険・生命保険への加入を断られるケースが多くなっています。
医療保険はデパス服用でも入れる?引受基準緩和型であれば加入できる?
デパスを服用している方や、精神疾患を患っている方でも加入できる可能性のある生命保険や医療保険というのは、全くないのでしょうか。
最近、色々な保険会社が商品を出してきている「引受基準緩和型保険」であれば、加入できる可能性があります。
この「引受基準緩和型保険」というのは、通常の保険よりも健康状態の条件を緩和している保険のことです。
そのため、告知する項目が少ないため、デパスの服用や精神疾患の治療歴があっても加入できる可能性が高くなります。
しかし、一般的に保険料が高いことが多く、保障内容も通常の医療保険や生命保険に比べてあまり充実していない場合もありますので、注意が必要です。
医療保険はデパス服用でも入れる?まとめ
ここまで、デパスの概要やデパスを服用していた場合の保険加入などについてまとめてきました。
デパスは、精神疾患の治療薬としてだけでなく、睡眠導入剤としてや肩こりや腰痛への処方薬としても使われる薬です。
しかし、デパスの服用歴があると通常の医療保険や生命保険への加入を断られる可能性が高くなってしまいます。
それでも、引受基準緩和型の保険であれば、加入できる可能性が高いですので、加入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。